八宝肉まんの具材に含まれた食材
当地にある鴨飼育場からの塩漬け卵の黄身
克林の看板メニューである「八宝肉まん」は一代目の劉さんの代表作でもあります。由来は毎年の大晦日に劉さんの奥さんが作る八宝肉団子でした。蒸しても、煮込んでも、炒めても、揚げてもおいしい八宝肉団子は万能食材です。それを劉さんは更に改良しました。当時は冷蔵庫がまだ普及していない時代であったため、保存がきく濃い味付けにして、毎日限定六十個の販売でした。具材は当時の黄身やレバーから、現在の八宝肉まんの具材に改良されました。
二代目の劉宗安さんは八宝肉まんをメイン商品にするため、本来の味付けに調整を行い、商品名を「克林台包」、つまり台南独特の味の肉まんと名前をつけました。お土産として売り出し、案の定、毎日宅配便の予約電話が途絶えず、人気を博しました。新開発の味は現代人の好みに合わせて調節しつつも、二代目の劉宗安さんは以前より使われ続けてきた食材も忘れませんでした。この伝統の食材こそが克林の文化の由来なのです。克林の全ての商品は伝統文化の継続でもあります。お客様に伝統へのこだわりを伝えるため、さらに解説を印刷しました。
八宝肉まんの具は厳選した塩漬け卵の黄身、新鮮な葱、椎茸、良質な豚の肩肉やバラ肉等を使用し、六十年間守り続けたレシピで、手作業で作られました。
皮の部分は高級の専用小麦粉を使い、職人は機械を使わず生地を練り伸ばし、寝かすことで、肉まんの皮をもっちりとした食感にさせます。油を一滴も使わない皮は、蒸しあがりに召し上がると甘みのあるもちっとした食感です。持ち帰った後にもう一度蒸したら、ふわっとして繊細な食感になります。肉まんの肉汁が小麦粉の香り溢れる皮につき、一口食べた時に出てくる塩漬け卵、椎茸や豚肉の旨みの合わさった香りにきっと満足いただけます。
速度や利益を求める時代の中、手作り商品は衰退する一方で、機械による大量生産に入れ替わりつつあります。ですが速度だけでは感情を失くしてしまいます。克林台包は今でも手作りにこだわっています。品質への要求だけでなく、材料の産地から厳しくチェックを行い、良心や心を込めて中華まんを作ることが克林台包六十年来の理念です。台湾では、まだ沢山の職人が伝統の技術で受け継がれてきた文化を守り続けています。伝統産業や小吃飲食業界では、職人達は昔から伝わってきた手順に従い、着実に商品の製作や料理をしています。その中、数人の職人達は克林で地道に努力し、台南の伝統の味を守り続けています。